『漁港の肉子ちゃん』という小説をご存知でしょうか?
直木賞作家の西加奈子さんの作品で、2021年には、満を持してアニメ映画化されることになっていました。
外見的には、とてもではないものの魅力的とはいいがたい女性が主人公という、一風変わった感じがするドラマとなっています。
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しかも、アニメ映画『漁港の肉子ちゃん』は、あの明石家さんまさんがプロデュースという、異色の作品なのでした。
それでは、『漁港の肉子ちゃん』とは、どのようなあらすじだったのか、小説とアニメ映画の違いは何だったのか、そして、明石家さんまさんがプロデュースする理由について、確認していきましょう。
『漁港の肉子ちゃん』とは
『漁港の肉子ちゃん』は、人気作家の西加奈子さんが執筆した小説でした。
西加奈子さんは、1977年5月7日、大阪府の出身で、現在の年齢は45歳。
これまでに、『あおい』、『さくら』、『きいろいゾウ』、『円卓』、『サラバ!』、『まく子』などといった、数えきれないほどの名作を世に送り出しています。
『サラバ!』は、西加奈子さんにとって記念すべき直木賞受賞作。
『漁港の肉子ちゃん』が発表されたのは、2011年8月31日のことで、アニメ映画化される2021年のちょうど10年前でした。
刊行された出版社は幻冬舎です。
以降、ヒットしていき、10年間で累計発行部数は35万部超という結果になっていたのでした。
西加奈子さんが『漁港の肉子ちゃん』を執筆したキッカケは、担当編集者が宮城県石巻市の出身者で、東日本大震災が発生する前に、現地を旅行でおとずれていたことだったのですね。
もっとも、実際の『漁港の肉子ちゃん』の舞台となっているのは、宮城県石巻市ではなく、架空の土地で、いちおう日本海沿いとされていました。
くわしいあらすじは次でご紹介しますが、その概要は、焼肉屋で働いている、美人とはいえないルックスの肉子ちゃんという女性が主人公で、太っているものの、人柄がいい彼女と、その周囲の人々を描いていくというもの。
肉子ちゃんは、かなりレアなヒロイン像といえそうですが、『漁港の肉子ちゃん』とは、どのようなストーリーになっているのか、さっそく、確認していきましょう。
『漁港の肉子ちゃん』のあらすじ
それでは、『漁港の肉子ちゃん』の具体的なあらすじとは、はたして、どのようなものだったのかを、チェックしていきたいと思います。
肉子ちゃんは、太っていて、お世辞にも美人とはいえない女性。
男にだまされたことによって、舞台となる北の町にやって来たのでした。
そんな肉子ちゃんは、うをがしと呼ばれている、さびれた漁港にある焼肉屋に勤務しています。
さて、肉子ちゃんには、キクコという娘がいました。
キクコは、クールな一面があるものの、性格は明るくて、頭もよく、読書をよくするという女の子。
物語は、おもに、肉子ちゃんではなく、そんなキクコの立場から描写されていきます。
とにかく個性的すぎる、肉子ちゃん。
そして、そんな肉子ちゃんに向かって、なにかとツッコミを入れていく、キクコ。
この2人と、港町の人々によって、ドラマが展開されていくのでした。
『漁港の肉子ちゃん』とアニメ映画との違い
それでは、西加奈子さんの『漁港の肉子ちゃん』と、アニメ映画は、どういった違いがあるのでしょうか?
ここはとても興味深いところですが、アニメ映画版のくわしい情報がまだないため、なんとも言えませんね。
実写映画であれば、ある程度、原作小説に沿った形になるのでしょうが、アニメとなれば、けっこう改変があったりするのでしょうか?
たとえば、肉子ちゃんは不美人という設定ですが、実写映画なら三枚目キャラの女優で忠実にやりそうな気がするものの、アニメの場合、多少、外見のことは抑え気味になったりするのかもしれませんね。
しかし、原作小説では、肉子ちゃんの外見は重要な要素になっていますので、個人的には、ぜひ、踏襲してほしいのですけどね。
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原作を知ると、ますます映画版の仕上がりがどうなっているのか気になってきます。
『漁港の肉子ちゃん』が明石家さんまプロデュースの理由
さて、アニメ映画『漁港の肉子ちゃん』といえば、非常に斬新なのが、明石家さんまプロデュースということ。
こういうジャンルが専門ではない明石家さんまさんが、あえてプロデュースすることになった理由とは、何だったのでしょうね。
これは明石家さんまさんいわく、西加奈子さんが『サラバ!』で直木賞を受賞したさい、たまたまこれを手に取ったら、自身の名前が出てきたため、西加奈子さんの作品を読むようになり、
『漁港の肉子ちゃん』にたどりついたとのこと。
そして西加奈子さんに映画化したいと申し出たところ、許可を得られたというのでした。
まさか、こんな流れだったとは意外でしたが、西加奈子さんにとっても、明石家さんまさんにとっても、いい話ですよね。
明石家さんまさんいわく、西加奈子さんの小説は大阪弁の使い方が本当に上手いということで、読書家でなくても興味を惹かれずにいられません。
そしてこういう経緯での映画化ということで、映像作品の方もぜひとも見ておきたいですね。
『漁港の肉子ちゃん』は、タイトルだけではなく、内容に至るまで、とても惹きつけられる感じでしたね。
映画化を申し出た明石家さんまさんも慧眼だったといえるでしょう。
アニメ版だけではなく、実写版もぜひ、観てみたいですね。