【芥川賞】砂川文次『ブラックボックス』
【直木賞】今村翔吾【塞王の楯』 と 米澤穂信『黒牢城』

芥川賞2021下半期(第166回)の候補作一覧や考察と受賞作予想

芥川賞2021年下半期(第166回)ノミネート候補の画像

20221月の芥川賞・直木賞の候補作が202112月17日に発表されました。

  • 石田 夏穂 「我が友、スミス」(すばる11月号)
  • 九段 理江 「Schoolgirl」(文學界12月号)
  • 島口 大樹「オン・ザ・プラネット」(群像12月号)
  • 砂川 文次 「ブラックボックス」(群像8月号)
  • 乗代 雄介「皆のあらばしり」(新潮10月号)

この記事は、第166回となる2021年度下半期の芥川賞の候補を事前に予想したものです。

既にノミネートは発表されましたが、いったいどの候補を予想していたのか、的中はあったのかを見ていきましょう。

まず、対象としたのは、乗代雄介さんの『皆のあらばしり』、中西智佐乃さんの『祈りの痕』、永井みみさんの『ミシンと金魚』、砂川文次さんの『ブラックボックス』島口大樹さんの『オン・ザ・プラネット』、小池水音さんの『アンドソングス』、鴻池留衣さんの『フェミニストのままじゃいられない』、久栖博季さんの『彫刻の感想』の8作。

この8作のなかで、ノミネートされたのは、太字で表記した

  • 乗代雄介さんの『皆のあらばしり』
  • 川文次さんの『ブラックボックス』
  • 島口大樹さんの『オン・ザ・プラネット』

の3作品。

以下で考察している5作品の中では、

  • 乗代雄介さんの『皆のあらばしり』
  • 川文次さんの『ブラックボックス』

の2つだけでした。

ではノミネートされた2作品と対象期間に発表された他の作品の考察も見てみましょう。

↓ 直木賞はこちら

直木賞2021下半期(第166回)のノミネート予想の画像直木賞2021下半期(第166回)の候補作一覧や考察と受賞作予想

乗代雄介『皆のあらばしり』【第166回芥川賞候補作】

乗代雄介さんは、1986618日、北海道出身の2022歳。

法政大学社会学部メディア社会学科卒業です。

2015年、『十七八より』によって、群像新人文学賞を受賞して、作家デビューしました。

2018年には、『本物の読書家』によって、野間文芸新人賞、2021年には、『旅する練習』によって、三島由紀夫賞を受賞しています。

そんな乗代雄介さんの『皆のあらばしり』は、歴史研究部の男が主人公。

主人公が城址に登場した、大阪弁で話すうさん臭い男のインテリぶりに傾倒していくという内容でした。

新潮社の『新潮』10月号に掲載されています。

登場人物たちの個性が強そうな感じのストーリーですね。

乗代雄介さんは、ここでご紹介する5作の作家中、もっとも受賞歴が豊富であるため、本命とも言えそうです。

砂川文次『ブラックボックス』【第166回芥川賞候補作】

砂川文次さんは、199041日、大阪府出身の31歳。

神奈川大学卒業です。

2016年、『市街戦』によって、文學界新人賞を受賞して、作家デビューしました。

そんな砂川文次さんの『ブラックボックス』は、前半と後半とがかなり対照的な構造になっている作品。

自転車で荷物を届けていくメッセンジャーの話と、刑務所内における話が描かれていくという内容でした。

講談社の『群像』8月号に掲載されています。

2つの、一見、あまりつながりがなさそうな展開のストーリー同士が、いったい、どのような感じに結びついていくというのか、とても興味深いといえるでしょう。

第166回芥川賞に惜しくもノミネートされなかった作品の考察

以下では第166回芥川賞候補であると予想されたものの、惜しくもノミネートには至らなかった作品の考察です。

鴻池留衣『フェミニストのままじゃいられない』

鴻池留衣さんは、198721日、東京都出身の34歳。

慶應義塾大学文学部仏文科中退です。

2016年、『二人組み』によって、新潮新人賞を受賞して、作家デビューしました。

そんな鴻池留衣さんの『フェミニストのままじゃいられない』は、発生した殺人事件を舞台化していくという作品。

脚本家、演出家、役者といった登場人物たちの秘められた思惑が描かれていくという内容でした。

文藝春秋の『文學界』12月号に掲載されています。

芥川賞は文藝春秋の『文學界』掲載作、直木賞は文藝春秋刊行の作品が受賞しやすいという傾向が続いてきました。

そのため、鴻池留衣さんの『フェミニストのままじゃいられない』は、かなり有力だといえるのではないでしょうか。

久栖博季『彫刻の感想』

久栖博季さんは、198748日、北海道出身の34歳。

弘前大学人文学部卒業です。

2021年、『彫刻の感想』によって、新潮新人賞を受賞して、作家デビューしました。

そんな久栖博季さんの『彫刻の感想』は、北海道で生活をしている女性が主人公。

この女性と彼女の祖先を、複数の世代に渡って描いていくという内容でした。

新潮社の『新潮』12月号に掲載されています。

バルガス=リョサさん、ル・クレジオさんといったスケールの大きな作家の影響を受けた作者だけに、おおいに期待は高まります。

永井みみ『ミシンと金魚』

永井みみさんは、千葉県在住の56歳(2021年12月現在)。

2021年、『ミシンと金魚』によって、すばる文学賞を受賞して、作家デビューしました。

そんな永井みみさんの『ミシンと金魚』は、一人暮らしをしている認知症を患った女性が主人公。

この女性の視点によって、彼女の悲しみが多かった人生が語られていくという内容でした。

集英社の『すばる』11月号に掲載されています。

少し悲しげなトーンの作品ですが、リアリティーが強く、社会性も高いことが、大きな強みになるのかもしれませんね。

ここまで、第166回となる2021年度下半期の芥川賞の候補を予想した結果をお伝えしてきましたが、いかがだったでしょうか?

乗代雄介さんの『皆のあらばしり』、永井みみさんの『ミシンと金魚』、砂川文次さんの『ブラックボックス』、鴻池留衣さんの『フェミニストのままじゃいられない』、久栖博季さんの『彫刻の感想』は、いずれもすばらしい作品ですので、ノミネートされたかされなかったかは関係なく、一読してみてはいかがでしょうか。

また、ノミネートされた島口大樹さんの『オン・ザ・プラネット』、九段 理江 さんの『Schoolgirl』、石田 夏穂 さんの『我が友、スミス』については個別記事で考察していきます。

いったい、どれが受賞するのか、目が離せませんね。

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