とうとう、2022年1月に決定される芥川賞の候補作が出そろいました。
『すばる』11月号の石田夏穂さんの『我が友、スミス』。
『文學界』12月号の九段理江さんの『Schoolgirl』。
『群像』12月号の島口大樹さんの『オン・ザ・プラネット』。
『群像』8月号の砂川文次さんの『ブラックボックス』。
そして『新潮』10月号の乗代雄介さんの『皆のあらばしり』ですね。
この中から、今回は、石田夏穂さんの『我が友、スミス』について、見ていきましょう。
石田夏穂さんとは、どういうプロフィールの作家だったのでしょうか。
また、石田夏穂さんの『我が友、スミス』のあらすじ、感想、すばる文学賞佳作だったのに芥川賞にノミネートされた理由についても、確認していきたいと思います。
石田夏穂のプロフィール
石田夏穂さんは、1991年、埼玉県出身で、2021年現在の年齢は、29歳か30歳となっています。
なお、2021年現在、東京都に在住しているとのことでした。
最終学歴は、東京工業大学工学部卒業です。
そんな石田夏穂さんは、大学卒業後の職歴については、明らかになっておりません。
出身学部が工学部だったことを考慮すれば、理系の企業だった可能性はあるかもしれないですし、ゆくゆく判明すればいいですね。
そして2021年に、この記事で取り上げていく『我が友、スミス』によって、すばる文学賞佳作を受賞したことによって、文壇に登場することになったのでした。
なお、この『我が友、スミス』は、集英社の『すばる』11月号に掲載されています。
さらに、石田夏穂さんの『我が友、スミス』は、その後、はれて、芥川賞にノミネートされたため、注目されていくことに。
初めての作品であるにもかかわらず、いきなり芥川賞にノミネートとは、すばらしいことではないでしょうか。
ちなみに、2022年1月19日には、集英社から『我が友、スミス』が単行本として刊行される予定になっており、これで作家デビューとなるというわけでした。
このような次第ですので、もしも、芥川賞にノミネートされていた石田夏穂さんや、その『我が友、スミス』に興味があるという方は、2022年1月19日には、『我が友、スミス』の単行本を、ぜひとも、購入されてみてはいかがでしょうか。
石田夏穂の『我が友、スミス』のあらすじ
主人公のU野はOL。
そんなU野には、筋トレをするという日課がありました。
さて、ある日、U野がGジムにおいてトレーニングをしていると、O島から勧誘をされます。
O島はU野に、Nジムに入ること、そしてボディビル大会に出場するよう言ってきたのでした。
別の生き物になるなどと言ってくるO島に惹かれて、U野は本格的なトレーニングに興じていくことに。
ところが、U野は、筋トレや食事管理だけにとどまらず、脱毛させられたり、ハイヒールを履かされることに、困惑していくのです。
やがてトレーニングによって、U野は鍛えられたものの、会社でやせたがっていると誤解されたり、母親からも筋肉質にならないようにと言われてしまうのでした。
このようにして、ボディビル大会に出場したU野でしたが、決勝の場で彼女は、ある行動を取ることになったのです。
石田夏穂の『我が友、スミス』の感想
石田夏穂さんの『我が友、スミス』は、OLの日常を描くという内容でした。
しかしながら、U野が、O島から、ボディビル大会に出場するよう言われるだけならともかく、脱毛させられたり、ハイヒールを履かされるところは、とてもシュールですね。
日常的なことから意外な方向へと話が進んでいくさまが、かなり意味深だと感じました。
U野が、ボディビル大会に出場した後、決勝の場でどのような行動に及ぶというのか?
これからご覧になる際には、楽しみにしていただきたいと思います。
石田夏穂の『我が友、スミス』のすばる文学賞佳作が芥川賞ノミネートの理由
先述の通り、石田夏穂さんの『我が友、スミス』は、すばる文学賞佳作でした。
では、佳作であるにもかかわらず、芥川賞にノミネートされた理由は、何だったのでしょうか?
こちらはハッキリしたことは分かっていません。
しかし、過去に、すばる文学賞佳作が芥川賞にノミネートされたことはなかったのです。
すばる文学賞受賞作であれば、受賞例が、金原ひとみさんの『蛇にピアス』。
ノミネート例が、中島たい子さんの『漢方小説』、木崎みつ子さんの『コンジュジ』と、それぞれあったのですが。
よって、石田夏穂さんの『我が友、スミス』は、前例にとらわれないくらいのかなり高い評価を受けたということではないでしょうか。
このように、今回は、石田夏穂さんの『我が友、スミス』に関する話題をお届けしてまいりました。
さすが、芥川賞にノミネートされる作品だけあるという印象を受けましたね。
はたして、芥川賞を受賞することは出来るというのか、興味は尽きません。
ライバルである、九段理江さんの『Schoolgirl』、島口大樹さんの『オン・ザ・プラネット』、砂川文次さんの『ブラックボックス』、乗代雄介さんの『皆のあらばしり』とともに、選考結果に注視していきましょう。
石田さんの知り合いとしては今後にちゅうもくです。