今回は、作家の松田青子さんについて、いろいろなことを取り上げてまいりたいと思います。
『持続可能な魂の利用』という小説によって話題になっていた、松田青子さん。
そんな松田青子さんとは、はたして、どういうプロフィールの持ち主だったのでしょうか。
また、興味深いタイトルであるゆえに、『持続可能な魂の利用』のネタバレあらすじ、感想も見ていきましょう。
ちなみに、『持続可能な魂の利用』は、帯の「おじさん」に関するコピーが、とても話題になっていました。
そこで、『持続可能な魂の利用』の帯の「おじさん」に関するコピーの意味についてもチェックしていきたいと思います。
松田青子のプロフィール
松田青子さんは、1979年10月11日、兵庫県の出身で、2021年1月現在の年齢は、41歳となっています。
最終学歴は同志社大学文学部英文科卒業でした。
そんな松田青子さんは、大学生だったころ、ヨーロッパ企画という劇団でスタッフとして活動していたものの、その後、女優としても活躍していくことに。
そして同志社大学を卒業してからは、契約社員、フリーターなど、さまざまな仕事をしつつ、翻訳家をめざしていきました。
その後、松田青子さんは、2008年に、『イルクーツク2』という同人誌に『シャンプーアンドリンス』を寄稿したことによって、作家としての活動を本格化させることに。
2年後の2010年には、『早稲田文学』に『ウォータープルーフ嘘ばっかり!』を掲載したことによって、とうとう作家としてデビューを飾ります。
以後、松田青子さんは、2013年には『スタッキング可能』によって、三島由紀夫賞、野間文芸新人賞にあいついでノミネートされるなど、高く評価されることになったのでした。
これまでに松田青子さんが発表してきた作品は、小説が、『スタッキング可能』、『英子の森』、『ワイルドフラワーの見えない一年』、『おばちゃんたちのいるところ – Where the Wild Ladies Are』、『じゃじゃ馬にさせといて』、『持続可能な魂の利用』。
エッセイが、『読めよ、さらば憂いなし』、『ロマンティックあげない』。
童話が、『なんでそんなことするの?』となっています。
また、翻訳でも、『はじまりのはじまりのはじまりのおわり 小さいカタツムリともっと小さいアリの冒険』、『狼少女たちの聖ルーシー寮』、『レモン畑の吸血鬼』を担当してきました。
さらに、松田青子さんは、テレビ番組では、『素晴らしい世界』、『ファースト・キス』、『王様のブランチ』。
ラジオ番組では、『RADIO SCRAP』に出演しています。
それでは、続いては、そんな松田青子さんの『持続可能な魂の利用』について、見てまいりましょう。
松田青子『持続可能な魂の利用』のネタバレあらすじ
物語の主人公となるのは、30代になる、敬子という女性。
敬子は、会社における問題が原因となって、あろうことか無職になってしまいました。
そんな敬子は、どうして親が自分に殺しのテクニックを叩き込んでくれなかったのか、などと考えていたのです。
やがて敦子は、男性社会の闇を見ていくことになりますが、男性が演出する女性アイドルに傾倒していくことになるのでした。
そして、たくさんの人々が魂をすり減らしていくなかで、敬子は、社会の地獄を変える賭けに打って出ることになるのです。
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松田青子『持続可能な魂の利用』の感想
『持続可能な魂の利用』は、タイトルも目を惹かれるものだったものの、そのあらすじも、ふつうの作家だったら思いつかないような、そうとう意味深なものでした。
敬子がどのような社会の地獄を変える賭けに挑むことになるというのか、興味を持ったという方も、少なくないのではないでしょうか。
敬子が男性社会の闇を見ていきながら、その一方で男性が演出する女性アイドルに傾倒していくという流れも、大変、不思議な感じですからね。
どういう作品なのか、もっとくわしく知りたいという方は、一度、『持続可能な魂の利用』を実際に手に取っていただきたいと思います。
松田青子『持続可能な魂の利用』の帯の「おじさん」の意味
『持続可能な魂の利用』といえば、帯の「おじさん」に関するコピーも気になります。
それは、「この国から「おじさん」が消える」という、なんとも衝撃的なものだったからでした。
この「おじさん」の意味は何だったのでしょうか。
松田青子さんによれば、「おじさん」とは、社会システムを象徴する言葉なのだとか。
『持続可能な魂の利用』のあらすじでは、敬子が「おじさん」から自由になる世界をめざすとなっていますので、あくまで中年男性とは無関係ということでした。
まさに、これまでになかったタイプの作品であった、『持続可能な魂の利用』。
松田青子さんの作品に入っていくには、うってつけなのではないかと思われます。
この機会にぜひ、ご覧になってみることをおすすめしておきたいですね。