2022年1月に発表される芥川賞・直木賞のシーズンが近づいてきて、文学好きの方にとっては、大変楽しみなことではないかと思います。
さて、ここでは、直木賞候補になる可能性がささやかれていた垣根涼介さんの『涅槃』について、取り上げてまいりたいと思います。
はたして、垣根涼介さんとは、どういった経歴の作家だったのでしょうか?
垣根涼介さんの『涅槃』以外のおすすめ作品も気になりますので、一覧をチェックしてまいりましょう。
そして、垣根涼介さんの『涅槃』のあらすじがどうなっていたのかや、感想についても調べてみました。
それでは、さっそく、ご覧ください。
垣根涼介のプロフィール
垣根涼介さんは、1966年4月27日、長崎県出身の56歳。
長崎県立諫早高校、筑波大学第二学群人間学類を卒業し、リクルート、近畿日本ツーリストなどを経て、作家志望となりました。
そして2000年、『午前三時のルースター』によって、サントリーミステリー大賞読者賞を受賞して、作家としてデビュー。
以後、垣根涼介さんは、2004年には、『ワイルド・ソウル』によって、大藪春彦賞、吉川英治文学新人賞、日本推理作家協会賞を受賞して、注目される作家となったのです。
さらに、2005年には、『君たちに明日はない』によって、山本周五郎賞も受賞したのでした。
垣根涼介のおすすめ作品一覧
それでは、次にご紹介する『涅槃』以外の垣根涼介さんのおすすめ作品の一覧を見てまいりましょう。
垣根涼介さんの作品でとくにおすすめなのは、大藪春彦賞、吉川英治文学新人賞、日本推理作家協会賞を受賞した、『ワイルド・ソウル』。
そして、山本周五郎賞を受賞した『君たちに明日はない』ですね。
なかでもおすすめなのは、『君たちに明日はない』。
リストラに苦しめられる人々の苦しみについて描いたという内容でした。
そんな『君たちに明日はない』は以後、『借金取りの王子』、『張り込み姫』、『勝ち逃げの女王』、『迷子の王様』とシリーズ化されていったのです。
未読だという方には、ぜひ一度、ご覧いただきたいと思いますね。
続いては、そんな垣根涼介さんの『涅槃』についてご紹介してまいりますので、ご覧ください。
垣根涼介「涅槃」のあらすじ
垣根涼介さんの『涅槃』は、2021年9月17日、朝日新聞出版から刊行されました。
それでは、そのあらすじをチェックしていきたいと思います。
豪商である阿部善定は、ある決断を下しました。
それは、没落してしまった武将である宇喜多家の家族の面倒をみるというもの。
理由は、阿部善定が幼少の八郎に才能を確信したからだったのです。
阿部善定は、八郎だったら、宇喜多家を再興することも可能なのではないかと期待していたのでした。
さて、そんな期待をされていた八郎は、孤独な少年時代を送っていくことになりますが、そんななか、商業がどれだけ重要なものなのかに気づくことに。
八郎はやがて、商人たちの暮らしについて関心を抱いていくことになります。
そして八郎は、紗代という女性と関わっていくなか、みずからの武将になるという宿命を感じるようになるのでした。
こうして、八郎は、宇喜多直家となったのです。
宇喜多直家は無事、宇喜多家の再興を実現して、石山城を商業の中心地にしました。
そして宇喜多直家は、嫁のお福をはじめ、阿部善定、黒田満隆、黒田官兵衛、小西行長らと交流しながら、活躍していくのです。
このような垣根涼介さんの『涅槃』は、2022年1月の直木賞受賞作の有力候補とも目されていました。
あらすじが魅力的であるだけに、結果が早くも気になりますね。
垣根涼介「涅槃」の感想
こういったあらすじの垣根涼介さんの『涅槃』ですが、感想はどうなっていたというのでしょうか。
宇喜多直家が、公私ともに魅力的だと評されていました。
プライベートにおいては、嫁のお福と過ごす日常が好評になっています。
また、子供だったころに交流した黒田満隆、黒田官兵衛との再会シーンも感動したという声が上がっていました。
そして、公的な面においては、なんとか宇喜多家の存亡のために策を練っていくところが注目されていました。
また、宇喜多家と豊臣秀吉の関係に腐心していく黒田満隆にも共感の声がみられます。
垣根涼介さんの『涅槃』は、おおむね好意的に評価されていたようですね。
はたして、直木賞の受賞はあるのか否か、注視していきましょう。
以上、今回は、垣根涼介さんの『涅槃』について、いろいろとご紹介してまいりました。
おもしろいあらすじであるだけに、これは少しでも多くの読者の方にお読みいただきたいものだと思いますね。
これまでの作家としてのキャリアが立派なものだった垣根涼介さんだけに、『涅槃』が直木賞を受賞するのかどうか、興味は尽きません。
それでは、芥川賞・直木賞の受賞作の発表まであと2ヶ月を切りましたから、ぜひとも、楽しみに見守っていきましょう。