先日、芥川賞、直木賞が発表されましたが、それに引き続き、本屋大賞の候補作も明らかになりました。
ここでは、そんな本屋大賞にノミネートされた作家のなかから、町田そのこさんについて、追っていきたいと思います。
これまでに町田そのこさんは、はたして、どのような経歴をたどってきたというのでしょうか。
一方で、本屋大賞にノミネートされた『52ヘルツのクジラたち』についても、あわせて、見ていきましょう。

『52ヘルツのクジラたち』のあらすじがどのようなものになっているのかや、『52ヘルツのクジラたち』の感想、そして『52ヘルツのクジラたち』が賛否両論それぞれだった理由についても、ご覧ください。
もくじ
1.町田そのこ(小説家)の経歴
町田そのこさんは、1980年3月9日、福岡県の出身で、2021年1月現在の年齢は、40歳となっています。
好きな作家は、氷室冴子さん、高田郁さん、小川洋子さん、西加奈子さん。
好物は、ビール、コーヒー、ビターチョコレートとのこと。
子供だったころに、氷室冴子さんの『クララ白書』を読んだことによって、将来は作家になりたいと考えるようになったという、町田そのこさん。
学生時代には、実際に、小説や学生演劇の台本を執筆していきました。
そして町田そのこさんは、2016年に、『カメルーンの青い魚』によって、女による女のためのR-18文学賞大賞を受賞したことによって、作家デビューをはたしたのです。
さらに、2021年には、『52ヘルツのクジラたち』によって、本屋大賞にノミネート。
本屋大賞には、町田そのこさんの『52ヘルツのクジラたち』以外には、伊吹有喜さんの『犬がいた季節』。
青山美智子さんの『お探し物は図書室まで』。
宇佐見りんさんの『推し、燃ゆ』。
加藤シゲアキさんの『オルタネート』。
伊坂幸太郎さんの『逆ソクラテス』。
深緑野分さんの『この本を盗む者は』。
山本文緒さんの『自転しながら公転する』。
伊与原新さんの『八月の銀の雪』。
そして凪良ゆうさんの『滅びの前のシャングリラ』がノミネートされました。
これまでに町田そのこさんが発表してきた作品は、刊行された小説は、2017年の『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』。
2018年の『ぎょらん』。
2019年の『うつくしが丘の不幸の家』。
2020年の『52ヘルツのクジラたち』、『コンビニ兄弟—テンダネス門司港こがね村店—』。
掲載された小説は、2016年の『カメルーンの青い魚 –』、『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』。
2017年の『ぎょらん』、『あなたがいない夜』。
2018年の『はじまりの赤』、『糸を渡す』、『リセット』、『あおい落葉』、『おわりの家』、『珠が映すもの』、『追放のイブ』、『小説すばる』、『蛍火が消える晩』。
2019年の『ままごとの家』、『忌子のなみだ』、『ばばあのマーチ』、『春待ちの家』、『しまちゃんとわたし』。
2020年の『おつやのよる』となっていました。
実績のある作家だけに、町田そのこさんの本屋大賞受賞の行方を、ほかの作家といっしょに見守っていきましょう。
2.町田そのこ(小説家)の『52ヘルツのクジラたち』のあらすじ
タイトルになっている「52ヘルツのクジラ」とは、ほかのクジラには聞き取れない高い周波数で鳴くクジラのことです。
そして、世界中でたった一頭しかいないクジラなのでした。
クジラ自体はたくさんいるにもかかわらず、このような状況ゆえに、52ヘルツのクジラは、他のクジラとコミュニケーションができません。
このようにして、52ヘルツのクジラは、世界一の孤独を余儀なくされるのでした。
そんななか、人生を家族のため犠牲にしてきた貴瑚と、母に虐待されてきた少年が出会って、物語が展開されていくことになります。
3.町田そのこ(小説家)の『52ヘルツのクジラたち』の感想
『52ヘルツのクジラたち』は、不思議なタイトルに相反して、独特ながら感動的な内容でした。
クジラの物語、人間の物語、ともに、読みごたえはじゅうぶんです。
きっと、読後にはおおいに満足することができるでしょう。
52ヘルツのクジラたち、貴瑚、少年がどうなっていくのか、ぜひ、最後までお読みください。

4.町田そのこ(小説家)の『52ヘルツのクジラたち』の賛否両論それぞれの理由
このような町田そのこさんの『52ヘルツのクジラたち』に対しては、共感の声が多数を占めていました。
が、一方で、否定的な声も。
はたして、賛否両論の理由は、何だったのでしょう。
肯定的なものは、52ヘルツのクジラを、世間に向かって声を出せない弱者の隠喩ととらえ、評価したりしていました。
これに対して、否定的なものは、具体的な理由を示さない感情的な感じで疑問を呈していました。
人それぞれかと思いますが、個人的にはよくできた話だと思いますね。
町田そのこさんの『52ヘルツのクジラたち』は、想像以上の問題作といえるでしょう。
ジャンル分け自体がむずかしいといってもよさそうですからね。
本屋大賞を受賞して、その効果でよりたくさんの人に読まれることに期待したいと思います。