芥川賞・直木賞の発表が2022年1月と、あと2ヶ月後に迫ってきました。
そんななか、『祈りの痕』で芥川賞の有力候補として注目されている作家に、中西智佐乃さんがいます。
『祈りの痕』は新潮の2021年8月号に掲載されました。
『尾を喰う蛇』という小説で作家デビューした、中西智佐乃さん。
それでは、中西智佐乃さんとはどういう人物で、『祈りの痕』とはどういう作品だったのでしょうか。
そこで『祈りの痕』のあらすじ、感想について、さっそく、まとめてみました。
この記事では、中西智佐乃さんのこれまでの受賞歴についても見ていきたいと思います。
それでは、こういった中西智佐乃さんや『祈りの痕』に関する話題について、ご覧ください。
中西智佐乃のプロフィール
中西智佐乃さんは、1985年、大阪府出身。
生まれた月や日は明らかになっておりません。
そのため、2021年11月現在の年齢は、35歳か36歳ということになるでしょう。
最終学歴は、同志社大学文学部卒業でした。
ちなみに、同志社大学出身の作家としては、ほかに、芦辺拓さん、有明夏夫さん、有栖川有栖さん、門井慶喜さん、黒岩重吾さん、澤田瞳子さん、丹下健太さん、筒井康隆さん、百田尚樹さん、藤野可織さん、保阪正康さん、山本兼一さん、といった人々がいます。
職業は、小説家のほか、会社員でもあるという兼業作家とのこと。
そんな中西智佐乃さんは、2019年、『尾を喰う蛇』によって新潮新人賞を受賞して、作家デビューをはたしています。
なお、『尾を喰う蛇』が受賞作に決まった2019年の新潮新人賞へ応募された作品は、なんと、1972篇もあったとか。
こんな膨大な作品の中から選出されるとは、どれだけ中西智佐乃さんが実力のある作家で、どれだけ『尾を喰う蛇』がすぐれている作品であるかが如実に分かるというものですよね。
中西智佐乃さんは、きっとこれから先も、まだまだ作家として活躍し続けてくれるのではないでしょうか。
さらなる中西智佐乃さんの新作を読むことができるのが楽しみでなりません。
中西智佐乃の受賞歴
それでは、そんな中西智佐乃さんの作家としての文学賞の受賞歴はどうなっていたのでしょうか。
中西智佐乃さんは、まだデビューから2年しか経っていなかったため、受賞歴は『尾を喰う蛇』で受賞した新潮新人賞しかありません。
ちなみに、新潮新人賞受賞作には、有名な作品には、中村文則さんの『銃』、田中慎弥さんの『冷たい水の羊』など。
最近の作品には、2020年の、小池水音さんの『わからないままで』、濱道拓さんの『追いつかれた者たち』。
2021年の、久栖博季さんの『彫刻の感想』などといったものがあります。
今後、芥川賞など、中西智佐乃さんがさらに文学賞を受賞することに期待したいですね。
中西智佐乃「祈りの痕」のあらすじ
続いては、そんな中西智佐乃さんの芥川賞候補とも評されている『祈りの痕』のあらすじを見ていきましょう。
主人公は野口美咲という女性。
野口美咲は、人のためと言いながら、みずからの考えを押し通していき、場合によっては暴力も振るうという女性なのでした。
さて、そんな野口美咲は、勤務している職場において、高校生の戸田と知り合います。
戸田は、いつも、みずからの弟のことや、バツイチで、男性をしょっちゅう家に連れてくる母親のことを考えていたのでした。
野口美咲は、そんな戸田に対して、なんとか力になってやろうとします。
しかし、戸田は野口美咲のそうした申し出を断るのでした。
やがて、野口美咲は、そうこうしているうちに、自分自身を変えていこうとしていくのです。
中西智佐乃さんの『祈りの痕』は、注目されるにふさわしい意味深な内容だったようですね。
中西智佐乃さんの芥川賞レースにも期待することができそうです。
中西智佐乃「祈りの痕」の感想
以上が中西智佐乃さんの注目作である『祈りの痕』のあらすじですが、どのような評価を受けていたというのでしょうか。
これからその感想を見ていきましょう。
作風に対しては、言葉が洗練されている、登場人物の意識と作者である中西智佐乃さんの意識がいっしょになっているといった声がありました。
また、その一方では、暴力、搾取、貧困といった重すぎるテーマを受け止めさせられつつも、どんどん最後まで読み進めていった、といった感想もあったのです。
やはり、作品が芥川賞候補とされるだけあって、中西智佐乃さんの『祈りの痕』は、読者から高く評価されていたようですね。
以上、今回は、中西智佐乃さんや、その注目作である『祈りの痕』についてピックアップしてまいりました。
中西智佐乃さんのキャリアや受賞歴もさることながら、『祈りの痕』の内容も興味深いものだったようですね。
はたして、中西智佐乃さんの作品が2022年1月の芥川賞を受賞することはあるというのでしょうか?
中西智佐乃さんの作品はもちろん、他の候補作がすべて出そろうのを待ってから、じっくりと注視していきたいものですね。