ある程度、小説が好きだという方であれば、見逃すことができない一大イベントとして、文学賞の存在が挙げられるでしょう。
そしてそのなかにおいても、芥川賞と直木賞は格別なものがあるだろうと思います。
そこで、今回は、直木賞について特集していきます。
はたして、直木賞とは、そもそもどういう文学賞だったのでしょうか。
また、直近の第166回直木賞(2021年下半期)についてもピックアップ。
第166回直木賞(2021年下半期)が発表される日時はいつになるのかや、ノミネートされる作品、受賞する作品はどうなるのかを、独自に予想してまいりますので、ご覧ください。
第166回直木賞(2021年下半期)候補作は2021年12月17日に発表されました。
- 逢坂 冬馬『同志少女よ、敵を撃て』(早川書房)
- 彩瀬 まる『新しい星』(文藝春秋)
- 今村 翔吾『塞王の楯』(集英社)
- 柚月 裕子『ミカエルの鼓動』(文藝春秋)
- 米澤 穂信『黒牢城』(KADOKAWA)
↓芥川賞についてはこちらで確認できます。

もくじ
前回の直木賞(第165回=2021年上半期)は芥川賞と同様10年ぶりの2作品同時受賞だった
第165回直木賞(2021年上半期)受賞作品が2021年7月14日に発表され、
- 佐藤究さんの『テスカトリポカ』
- 澤田瞳子さん『星落ちて、なお』
が同時受賞しました。
芥川賞に続いて直木賞でも2作品同時受賞となったのです。
これは珍しいことですよね。
前回に芥川賞と直木賞の両方が2作品同時受賞したのは第144回(2010年下半期)のこと。
このときは、芥川賞が
- 朝吹真理子さんの『きことわ』
- 西村賢太さんの『苦役列車』
直木賞が
- 木内昇さんの『漂砂のうたう』
- 道尾秀介さんの『月と蟹』
でした。
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直木賞とは|最近の受賞者一覧と受賞時の年齢ランキング
直木賞の正式名称は、「直木三十五賞」です。
芥川賞とよく混同されがちな文学賞ではあるものの、授賞対象作のジャンルが、芥川賞は純文学、直木賞は大衆文学。
授賞対象者が、芥川賞は新人・中堅クラス、直木賞は中堅・ベテランクラス。
授賞対象作の仕様が、芥川賞は雑誌掲載作、直木賞は刊行された書籍。
そして授賞対象作の長さが、芥川賞は短編・中編、直木賞は長編・短編集、といった差異がありました。
文藝春秋社社長だった作家の菊池寛さんが、作家の直木三十五さんを記念して、1935年にはじめ、同時に芥川賞もスタートしたため、両賞の歴史は実に85年にも及んでいます。
なお、両賞の場合、芥川賞の村上春樹さん、吉本ばななさん、直木賞の北方謙三さん、伊坂幸太郎さんのように、著名な作家であっても、意外にも受賞していない、または本人が受賞対象になることを断ったというケースも存在しました。
また、芥川賞の場合、新人・中堅作家の代表作が受賞することが多いものの、直木賞の場合、一般的にその作家の代表作と評価されている作品が落選し、その後、別の作品が受賞するというパターンもしばしば。
このように、芥川賞にせよ、直木賞にせよ、けっこう奥深いものだったというわけですね。
さて、そんな直木賞は、芥川賞とともに、毎年2回発表され、授賞対象作数は、最多で2作、最小で受賞作なしとなります。
ここ最近の受賞は、第159回直木賞(2018年上半期)が、島本理生さんの『ファーストラヴ』。
第160回直木賞(2018年下半期)が、真藤順丈さんの『宝島』。
第161回直木賞(2019年上半期)が、大島真寿美さんの『渦 妹背山婦女庭訓 魂結び』。
第162回直木賞(2019年下半期)が、川越宗一さんの『熱源』。
第163回直木賞(2020年上半期)が、馳星周さんの『少年と犬』。
第164回直木賞(2020年下半期)が、西條奈加さんの『心淋し川』。
第165回直木賞(2021年上半期)が、佐藤究さんの『テスカトリポカ』と澤田瞳子さんの『星落ちて、なお』でした。
なお、歴代受賞者のうち、受賞年齢が低かったのは、1位が22歳だった堤千代さん。
2位が朝井リョウさん。
3位が平岩弓枝さん。
4位が山田詠美さん。
そして5位が三浦しをんさん。
一方、受賞年齢が高かったのは、1位が68歳だった星川清司さん。
2位が青山文平さん。
3位が古川薫さん。
4位が黒川博行さん。
そして5位が佐藤得二さんです。
これから直木賞や、その受賞者、受賞作がどうなっていくというのか、ますます目が離せそうにありませんね。
直木賞166回2021年下半期の発表日時
さて、次の第166回直木賞(2021年下半期)が発表される日時は、いったい、いつになるのでしょうか?
直木賞は、芥川賞とともに、毎年、1月と7月に発表されてきました。
したがって、これまでの流れからいえば、2021年1月とみられるでしょう。
そこでさっそく調べてみたところ、第166回直木賞(2021年下半期)は、2022年1月19日(水)に、その次の第167回直木賞(2022年上半期)は、2022年7月20日(水)に選考会が行われるとのこと。
直木賞は選考会実施日に発表されますので、第166回直木賞(2021年下半期)は、2022年1月19日(水)に、そのまま発表されることでしょう。
なお発表される時間は、例年16:00から選考委員会が開かれ、18:00頃に発表されていますが、2020年上半期はいつもと違いました。
14:00から選考委員会が開かれたんです。
その結果、16:00頃には速報が出ていましたから、やはり約2時間後には発表というところは変わりません。
ただ、2020年下半期のときは、15:00選考会の17:00発表とやや遅くなりました。
選考委員会が始まる時間が発表されるのは12月20日頃ですから、今から楽しみですね。
直木賞164回2020年下半期の候補者(ノミネートの予想や発表日時
それでは、そんな第166回直木賞(2021年下半期)にノミネートされる作品はどうなっているのでしょうか。
第166回直木賞(2021年下半期)の候補者(ノミネート)は、2021年12月17日の午前5時に、ツイッターで発表されました。
この記事では以下で予想していました。
- 垣根涼介の『涅槃』
- 米澤穂信の『黒牢城』
- 今村翔吾の『塞王の楯』
- 誉田哲也の『フェイクフィクション』
- 葉真中顕の『灼熱』
- 逢坂 冬馬『同志少女よ、敵を撃て』
太字は的中した作品です。
↓予想した記事はこちら

候補予想作品の個別記事もあるので、確認してみましょう。




直木賞166回2021年下半期の受賞作品予想
第166回直木賞(2021年下半期)を受賞する作品はどうなるのでしょうか。
過去の傾向的には、文藝春秋の作品や、ノミネートされた経験がある作家の作品が有利です。
しかし、今回ノミネート予想した作品はいずれも、そのどちらにも該当しません。
ということは、どの作品が受賞してもおかしくないですし、この中のどれも受賞しない可能性もけっこう高いとも言えます。
そのため、単に独断で選ぶとしたら、逢坂冬馬さんの『同志少女よ、敵を撃て』を推してみますが、どうなるでしょうか。

直木賞もおもしろいものですね。
それにしても、第166回直木賞(2021年下半期)を受賞する作品が決まるのが楽しみです。
ここで押した『同志少女よ、敵を撃て』以外の作品もあり得ますので、けっして油断しないようにしましょう。