今回は、2022年の芥川賞・直木賞の候補になるのではないかとみられる作家・作品のうち、島口大樹さんと、その『オン・ザ・プラネット』について、ピックアップしていきたいと思います。
あまり読書の習慣がない方であっても、ついつい注目してしまうのが、芥川賞・直木賞。
そんな芥川賞・直木賞とあっては、今回も見逃せませんよね。
それでは、島口大樹さんとは、いったい、どういう作家だったのでしょうか。
また、島口大樹さんの『オン・ザ・プラネット』とは、いったい、どういう作品だったのでしょうか。
さっそく、島口大樹さんのプロフィール、そして『オン・ザ・プラネット』のあらすじや感想、芥川賞候補となる下馬評を確認していきたいと思います。
島口大樹のプロフィール
島口大樹さんは、1998年、埼玉の出身。
生まれた月日は明らかになっていませんが、2021年11月現在の年齢は、22歳か23歳となりますね。
島口大樹さんは、学歴は、埼玉県立熊谷高校、横浜国立大学経営学部卒業。
職業は会社員とのことでした。
作家としてデビューしたのは最近のことで、2021年に、『鳥がぼくらは祈り、』によって、群像新人文学賞を受賞したことがきっかけだったのですね。
なお、この島口大樹さんのデビュー作である『鳥がぼくらは祈り、』は、野間文芸新人賞にノミネートされていました。
『鳥がぼくらは祈り、』は、『群像』2021年6月号に掲載され、2021年7月には講談社から刊行されています。
2021年11月現在では、島口大樹さんの作品は、まだこの『鳥がぼくらは祈り、』のみとなっていました。
早く島口大樹さんのあらたな作品が発表・刊行されるのが楽しみですね。
島口大樹「オン・ザ・プラネット」のあらすじ
そんな島口大樹さんの『オン・ザ・プラネット』とは、どういった内容だったのでしょうね。
『オン・ザ・プラネット』は、そうとう実験的な作品でした。
なんと、作中には、作者である島口大樹さんも登場。
構造的には、2つの話が結合されたオートフィクションとなっています。
具体的な内容は、4人組の若者たちが、車によって横浜から鳥取まで向かって、鳥取砂丘を舞台にしてショートムービーを撮っていく、というもの。
流れ的には、ロードムービーのような体になっていました。
しかし、ただのロードムービーではなく、その間、若者たちの会話によって、記憶や世界について語られていく、という奥深い内容だったのですね。
島口大樹さんの『オン・ザ・プラネット』は、群像新人文学賞を受賞したわけですが、もともとこの文学賞は実験的な作品に多く与えられることで知られてきました。
そのため、このような作風の作品が選ばれたことは、納得がいきますね。
島口大樹「オン・ザ・プラネット」の感想
続いては、島口大樹さんの『オン・ザ・プラネット』への感想も確認していきましょう。
ご紹介しました通り、『オン・ザ・プラネット』は、かなり実験的な作品でした。
それだけに、読んだ方の感想の方も、やはり奥深い感じになっています。
まずは、作中に登場する情報がとても多いということ。
しかしながら、作者はあえてこのように描いているということ。
また、作者の繰り出してくる言葉には、熱が感じられるということ。
そして、読後感がとてもずっしりとしたものであるということ、などが見られました。
こういった感想だけを見ても、『オン・ザ・プラネット』のただならぬ感じが伝わって来る感じがしますね。
島口大樹「オン・ザ・プラネット」の芥川賞の下馬評
それでは、島口大樹さんの『オン・ザ・プラネット』が芥川賞にノミネートされたり、受賞する可能性はあるのでしょうか?
すでにお伝えしてきました通り、島口大樹さんの『鳥がぼくらは祈り、』は、群像新人文学賞を受賞しています。
また、芥川賞同様、新人の登竜門として知られている野間文芸新人賞にノミネートされてもいました。
群像新人文学賞も野間文芸新人賞も、とてもメジャーな文学賞ですので、これらを受賞したり、ノミネートされることは、かなり評価が高いと言えるでしょう。
芥川賞はこれらよりさらに権威があるものの、こうした経緯的に、『オン・ザ・プラネット』がノミネートされる可能性は否定できないのではないでしょうか。
また、芥川賞は、講談社の作品は受賞した実績が多々あり、2021年7月の芥川賞受賞作となった石沢麻依さんの『貝に続く場所にて』も講談社刊でした。
こうしたことからも、『オン・ザ・プラネット』は有力といえるかもしれませんね。
ということで、今回は、島口大樹さんの『オン・ザ・プラネット』について、見てまいりましたが、いかがでしたか?
島口大樹さんの作家としての実力は、そうとうなものだと言えるのではないかと思いますね。
『オン・ザ・プラネット』の内容も、かなり独創的なものになっていますので、惹きつけられます。
『オン・ザ・プラネット』の芥川賞ノミネート、そして受賞は、はたして、あるのか否か、今から固唾をのんで見守ってまいりましょう。