今回は、作家として活動している宇佐美りんさんについて、ご紹介してまいりたいと思います。
作家デビューからあまり期間は経っていないものの、これまでに非常に印象的な作品を発表して来ていた、宇佐美りんさん。
そこで、宇佐美りんさんとは、どのような作家だったというのか、確認していきましょう。
宇佐見りんさんの経歴はもちろんのこと、これまでに発表してきた小説作品の一覧を、ご覧ください。
また、宇佐美りんさんといえば、『推し、燃ゆ』という小説が注目されていました。
この宇佐美りんさんの『推し、燃ゆ』についても、そのあらすじ、設定、感想を見ていきたいと思います。
追記:宇佐見りんが芥川賞受賞
2021年1月20日、第164回芥川賞の発表があり、宇佐見りんさんが『推し、燃ゆ』で見事受賞しました。
弱冠21歳での芥川賞受賞ということで、これまでの受賞者の年齢を調べたところ2004年に受賞した綿矢りささんの19歳が最年少で、ついで同年の同時受賞だった金原ひとみさんの20歳、宇佐見りんさんは3番目に若い受賞です。
まさしく快挙ですね。
宇佐見りんの経歴
宇佐美りんさんは、1999年、静岡県沼津市の出身で、2020年現在の年齢は、21歳となっています。
まだ大学生で、20歳だった2019年に、『かか』で文藝賞を受賞したことによって、作家デビューをはたしていた、宇佐美りんさん。
この宇佐美りんさんの記念すべき作家デビュー作である『かか』は高く評価され、2020年には、三島由紀夫賞を、史上最年少にて受賞するという、大変な快挙を達成したのです。
年齢の若さ、デビュー作であること、文学賞の重さを考えれば、そうとうな偉業であることがお分かりいただけることでしょう。
しかし、『かか』は、さらに野間文芸新人賞にもノミネートされていましたから、宇佐美りんさんは、本当にデビュー早々、たいした活躍なのでした。
宇佐美りんさんが受賞した文藝賞は、河出書房新社の公募型文学新人賞。
これまでに受賞した作品は、2011年が、今村友紀さんの『クリスタル・ヴァリーに降りそそぐ灰』。
2012年が、谷川直子さんの『おしかくさま』。
2013年が、桜井晴也さんの『世界泥棒』。
2014年が、李龍徳さんの『死にたくなったら電話して』、金子薫さんの『アルタッドに捧ぐ』。
2015年が、山下紘加さんの『ドール』、畠山丑雄さんの『地の底の記憶』。
2016年が、町屋良平さんの『青が破れる』。
2017年が、若竹千佐子さんの『おらおらでひとりいぐも』。
2018年が、日上秀之さんの『はんぷくするもの』、山野辺太郎さんの『いつか深い穴に落ちるまで』。
2019年が、宇佐見りんさんの『かか』、遠野遥さんの『改良』。
2020年が、藤原無雨さんの『水と礫』、新胡桃さんの『星に帰れよ』となっていました。
一方、三島由紀夫賞は、芥川賞に次ぐ純文学の非公募型新人賞。
これまでに受賞した作品は、2011年が、今村夏子さんの『こちらあみ子』。
2012年が、青木淳悟さんの『私のいない高校』。
2013年が、村田沙耶香さんの『しろいろの街の、その骨の体温の』。
2014年が、本谷有希子さんの『自分を好きになる方法』。
2015年が、上田岳弘さんの『私の恋人』。
2016年が、蓮實重彦さんの『伯爵夫人』。
2017年が、宮内悠介さんの『カブールの園』。
2018年が、古谷田奈月さんの『無限の玄』。
2019年が、三国美千子さんの『いかれころ』。
2020年が、宇佐見りんさんの『かか』となっていました。
そんな宇佐美りんさんの好きな作家は、中上健次さんとのこと。
これからも、宇佐美りんさんの作家としての活躍が、楽しみで仕方ありませんね。
宇佐見りんの学歴
宇佐美りんさんの学歴も気になりますが、こちらはくわしいことは分かっていません。
大学在学中に、文藝賞、三島由紀夫賞を受賞していますが、その大学も不明です。
もっとも、宇佐美りんさんは、静岡県で生まれ、神奈川県で育ったといいますから、関東地方の大学に進学した可能性が高いのではないでしょうか?
今後、明らかになってくればいいですね。
宇佐見りんの小説作品一覧
続いては、これまでに宇佐美りんさんが手がけてきた小説をチェックしていきましょう。
これまでに刊行された作品は、2019年の河出書房新社の『かか』。
そして、2020年の河出書房新社の『推し、燃ゆ』。
ほか、小説以外では、エッセイも、2020年、『群像』2020年10月号に掲載された『顔パックの悲しみ』がありました。
2021年も、このペースで、宇佐美りんさんが新作を発表してくれることを心待ちにしましょう。
宇佐見りんの『推し、燃ゆ』のあらすじや設定と感想
2020年9月10日、宇佐美りんさんが河出書房新社から刊行していた、最新作の『推し、燃ゆ』。
(電子書籍ストアBOOK☆WALKER)
こちらはとても興味深い内容でした。
推しのアイドルを解釈することに人生をかける主人公が、そのアイドルの炎上に直面する…という内容だったのです。
まさか、「燃ゆ」が「炎上」だったとは意外ですね。
ふつうは物質的な発火をイメージするでしょうから。
推しのアイドルを解釈することに人生をかける、という主人公の設定も斬新。
未読の方は、ぜひ、手に取っていただきたいと思います。
まだ大学生にして、有名な文学賞を複数、受賞していた、宇佐美りんさん。
デビューからわずかな期間でこれですから、これからがますます期待できそうですね。
あらたな才能の出現がうれしいですし、しっかり注視していきましょう。