柚木麻子さんの『らんたん』は、大正時代を舞台とした歴史小説です。
2021年もいよいよ、下半期の芥川賞・直木賞のシーズンがやってきました。
2022年1月に正式に受賞作が決まりますが、今回はどのような作品が選ばれるのか、とても興味深いですよね。
さて、この記事では、直木賞にノミネート、そして受賞となる有力候補の1つとみられる柚木麻子さんの『らんたん』について、ピックアップしていきたいと思います。
柚木麻子さんのプロフィールや、その『らんたん』とは、どのようなものだったのでしょうか。
柚木麻子さんの『らんたん』のあらすじやネタバレ、感想、そして評価とは…?
それでは、さっそく、こういった柚木麻子さんの『らんたん』に関することを見ていきたいと思います。
柚木麻子のプロフィール
柚木麻子さんは、1981年8月2日、東京都出身の40歳。
恵泉女学園中学校・高校、立教大学文学部フランス文学科卒業です。
もともとは、小説家ではなく脚本家をめざしていて、ドラマのプロットライター、製菓メーカー社員、塾講師などの職業を経て、小説家志望になりました。
そして2008年に、「フォーゲットミー、ノットブルー」によって、オール讀物新人賞を受賞。
2010年に、この「フォーゲットミー、ノットブルー」を含む『終点のあの子』が刊行され、作家デビューしました。
以後、2013年に、『伊藤くん A to E』によって、直木賞にノミネート。
2014年に、『本屋さんのダイアナ』によって、直木賞にノミネート。
2015年に、『ナイルパーチの女子会』によって、山本周五郎賞を受賞し、直木賞にノミネート。
2017年に、『BUTTER』によって、直木賞にノミネート。
そして2019年に、『マジカルグランマ』によって、直木賞にノミネートされています。
柚木麻子の『らんたん』のあらすじやネタバレ
柚木麻子さんの『らんたん』は、歴史小説でした。
といっても、戦国時代や江戸時代といった大昔ではなく、大正時代が舞台という作品となっています。
また、柚木麻子さんの『らんたん』は、NHK連続テレビ小説のように、実在する人物が主人公のモデルになったという、文化的な内容なのでした。
そのモデルになったという人物とは、女子教育に力を注いだことで知られている河井道です。
河井道は、恵泉女学園中学・高校を説立した人物として有名。
そんな河井道は、津田梅子、平塚らいてう、山川菊栄、広岡浅子、村岡花子といった女性たちから、野口英世、新渡戸稲造といった男性たちに至るまで、日本に大きな影響を与えた人々がたくさん慕っていた女性なのでした。
物語は、 河井道のことをずっとサポートし続けた渡辺ゆりを通して、たくさんの女性たちについて、描いていきます。
具体的には、大正から昭和に変わる年、天璋院篤姫によって名付けられたという一色乕児が、渡辺ゆりにプロポーズすることが物語の発端となっていくのでした。
一色乕児からのプロポーズに渡辺ゆりが応じる条件というのは、おどろくべきものだったのです。
なんと、それは、シスターフッドの契りを結んだ河井道と、一色乕児、そして渡辺ゆりの3人が、いっしょに暮らすという、信じられない内容なのでした。
柚木麻子さんの『らんたん』は、実在する人物がモデルながらも、独特の設定によって、購読意欲が増すような作品だったようですね。
柚木麻子の『らんたん』の感想
ご説明しましたように、柚木麻子さんの『らんたん』は、歴史的な人々が数多く登場する作品でした。
しかし、そんなに堅苦しい内容ではなく、エンターテインメントとして読めるところが魅力ですね。
とくに、河井道、一色乕児、渡辺ゆりの3人が、いっしょに暮らすというのは斬新だといえるでしょう。
どのように展開されていくのか、期待してほしいと思います。
さまざまな要素によって構成されており、読み方もいろいろある作品ですので、少しでも多くの方に届いてほしいものですね。
柚木麻子の『らんたん』の評価
柚木麻子さんの『らんたん』へのネット上の評価についても、まとめてみました。
まずは、歴史的な内容のため、手軽には読めず、それなりに重厚だったといったもの。
登場人物たちが華やかだったといったもの。
登場人物たちが基本的に歴史上の偉人であるため、セリフから学ぶところもあったといったものがありました。
ほか、登場人物たちの心理描写が見事だったといったもの。
昔を描いた作品なのに、あくまで現代の言葉で表現していることを評価するといったもの。
全体的にうまく描かれているとたたえるといったものがありました。
このような評判だけに、柚木麻子さんの『らんたん』の直木賞レースが楽しみですね。
ということで、今回は、柚木麻子さんと、その『らんたん』について、いろいろなことをご紹介してまいりました。
柚木麻子さん本人も、『らんたん』も、ともに非常に注目すべき存在であるといえるでしょう。
はたして、2022年1月に受賞作が決まる直木賞において、柚木麻子さんの『らんたん』は、ノミネート、受賞することになるというのでしょうか。
ほかにも強敵といえる作家、作品が多いため、候補作、受賞作が決定するまで、引き続き、その行方を見守ってまいりたいと思います。